「日本最古の湯」と謳われている温泉地は不思議なことにいくつかある。
その中の一つが和歌山県の南部の山間地に位置する「湯の峰温泉」である。
その昔、天皇が熊野詣をする際に、この湯の峰の温泉に浸かり、体を清める「湯垢離(ゆごり)」をしたそうである。
この湯の峰温泉の泉質は関西では貴重な「硫黄泉」である。
そしてこの湯の峰温泉には3ヶ所の共同浴場がある。
その中の一つが、唯一世界遺産として認定されている「つぼ湯」だ。
その「つぼ湯」と「くすり湯」、そして「公衆浴場」の3ヶ所についてお伝えさせて頂くことに。
私は過去に3度、この湯の峰温泉を訪れているが、実はつぼ湯は今回が初めて。
なぜかというと、最初は中学3年生の卒業旅行で訪れたため、特に興味が無かった。
そして2回目に訪れたのが2005年頃。
なんと「つぼ湯」の入湯料金が750円になっていた!
確か、つい最近までは280円ぐらいだったはずなのに・・・
ということで、ちょっとやりすぎでは?と思い、「つぼ湯」には入湯せずに「あづまや」さんに立寄り湯させて頂いてから帰った。
2009年の3回目には「つぼ湯」に入ろうと決心したのだが、土日だったため、混みすぎていて、待ち時間が3時間以上・・・断念を余儀なくされた・・・
そして今回の4回目にやっと念願の「つぼ湯」に入ることが出来た。
この4回目は温泉ソムリエ仲間とご一緒に。
なんと、岐阜、東京、そして仙台から参加された。
皆様の行動力には頭が下がる思いである。
私ももっと精進せねばと・・・・。
そして私は関西在住の「温泉ソムリエ」なのに、関西の名高い「つぼ湯」を今頃経験とは・・・ほんとお恥ずかしい限りであったが、これで経験済みになったので、少々安堵している。
前置きが長くなってしまった。
まず、メインとなるのがこの施設。
ここには「くすり湯」と「公衆浴場」がある。
「つぼ湯」のお支払もここで。順番札を頂くシステムだ。
幸いにも一組待ちだったので、30分待ちだった。
それでは、まずは「つぼ湯」より紹介
■つぼ湯
湯の峰温泉の間を流れる小川沿い、いやほぼ川の中に「つぼ湯」が。
小屋がぽつんとあるだけ。
昔は2枚目の写真の「つぼ湯」と書かれた下の部分が開口(開け閉め自由)になっていたのだが、最近は締め切りになってしまったようだ。
内部はほんとこじんまりと・・・風情は流石である。
つぼ湯というだけに、ほんと一坪ほどの浴槽があるだけ。
この「つぼ湯」の湯は1日に7回色が変わるというお話。
私が入浴した際は、青白い感じだった。
きっと含有成分の硫化水素とメタケイ酸が関係しているのではと。
足元湧出とのことだが、足でどこから湧き出しているのか探ってみたが、わからなかった・・・
源泉温度は80度を超えているはずなのに・・・・
ま、何せ温泉は天然モノゆえ、それはそれとして・・・・
今回は嫁と2人で入浴したのだが、30分1人750円。
ゆえ、2人で30分1500円。
1人だけで入っても30分750円。
なんかちょっと違和感を感じるのは私だけ?
ただ、お湯は硫黄の香りがしっかりしていて、炭酸水素イオンも豊富なため、なめらかで、とても気持ちよかった。
また、ゆっくりと訪れて、堪能させて頂きたい。
■くすり湯
民宿「瀧よし」さんへ泊まった翌日の朝にくすり湯へ。
くすり湯は前回にも入浴。
こちらは「加水無し」で、適温まで湯温を下げられている貴重な極上湯。
ただ、前回は真っ白の白濁したお湯だったが、今回はほぼ無色透明。
きっと、朝お湯を張り替えたばかりだからだろう。
硫黄成分がまだコロイド化していないからだと思う。
ということは、本当に新鮮なお湯を堪能させて頂いたことになる。
それも、写真をこのように撮れたというのも私1人だけで、貸切状態。
まさにここは天国だった。
ただ、撮影に忙しいのはいつものことで・・・いうまでもないが・・・。
■公衆浴場
この公衆浴場は「くすり湯」と同じ建物である。
なぜだか訪れた時間帯は無料とのことで、入る予定ではなかったが、折角?なので、入湯させて頂いた。
こちらは「加水」されている。
しかし、なんのなんの、十分硫黄の香り漂い、湯の華も舞っているではないか。
正直、十分極上であった。
温泉分析書
こちらは「くすり湯」「公衆浴場」のものと思われる。
「つぼ湯」は異なるようです。
■つぼ湯 温泉データ
- 住所
- 和歌山県田辺市本宮町湯峰
- 電話番号
- 0735-42-0074
- 営業時間
- 6:00~21:30
- 料金
- 750円
- 泉質
- 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
- 源泉温度
- 92℃
- pH
- 7.3
- 湧出量
- 約30リットル/分
- 湧出形態
- 足元湧出
- ぐっちの湯の寸評
- かなり良かったです。
- ただ、足元から湧いているのを感じれず・・・少々???って感じです。
- また、近々再訪して、確認したいと思っています。
- <再訪>
- やはり素晴らしいです。
- 前に入った方の加水状況でだいぶ印象が変わります。
- 今回は前回より、かなり新鮮なお湯に感じました。
- ぐっちのお気に入り度
- ★★★★★